「琳派の年」に京都の伝統工芸品について考える
今年は本阿弥光悦が1615年に徳川家康から京都・鷹峯の地を拝領してから400年にあたる事から
京都は「琳派400年」の各種行事が開催されています。
その為、京都で開催の文化、芸術の催し物には必ずといっていいほど“琳派”(又は、“リンパ”、
“RIMPA”)というフレーズが登場し、さながら“琳派”は今年の京都のキーワードになっています。
“琳派”が注目される所以は、その色、デザインの簡素化された美しさだけでなく、京都産の伝統工芸品
(=京もの)がそうであるように、時を重ねるうちに変革を遂げているが本筋ははずさないという事に
あるかもしれません。
それは、変化に非常に敏感な京都人が、長い歴史の中で培ってきた智恵そのものかもしれません。
京都が「京都」であり続ける為には、京都に17ある世界遺産を維持、管理していくことが必要です。
ところが、その維持管理に欠かせない伝統工芸技術が今、まさに後継者問題で瀬戸際に立たされ
ています。生活様式や生活思考の変化から伝統工芸品は長い販売不振が続き、職人・作家の後継者が
非常に少なくなってきています。
「効率」を追求した結果の100円ショップを代表とした超廉価品の氾濫、又手作りに近い色合いを出す
インクジェット技術などの普及の中で、手作り品の価値をどう伝えていくのか?
あえて効率を求めず、手作りにこだわる「京もの」。
その質感の高さは使っていくうちに感じて頂くものです。
「物を大事に使う」という言葉が、「使い捨て」という言葉に駆逐されてしまう事を危惧しながら、
又、“使い込むほど味が出る”という言葉が過去のフレーズになる中で、もっともっと多くの方々に
京都の伝統工芸品、“京もの”への関心を高めて頂き、とりわけ、京都好きの方々には手作りの質感
の違いを身を持って体感して頂く為に“京もの”の「愛用」を切にお願いしたいと思っています。
京都・六角通富小路にある京扇子の老舗、宮脇賣扇庵は、創業以来190数年。
同社の京扇子は、普段使いは勿論、舞妓・芸妓の舞や能・落語などの伝統芸能の必需品として、
更に琳派の意匠を扇に描いた美術品としても、用途・価値は多岐にわたります。
琳派400年の今年、芸術・文化の催しには宮脇賣扇庵の扇子に描かれた琳派の作品が目白押しです。
詳しくはこちら 株式会社宮脇賣扇庵